Anacondaプロンプトでデフォルトの作業フォルダ(パス)を変更する

Pythonファイルを実行するのに「Anacondaプロンプト」を利用していて、最初からPythonファイルを作成しているフォルダをデフォルトの作業ディレクトリにしたい、という場合の方法です。

Windows左下のスタートメニューの検索窓から「Anaconda prompt」を検索してください。

次に「Anaconda Prompt」を右クリックします。
「ファイルの場所を開く」をクリックしてください。
すると以下のフォルダが開くはずです。

また「Anaconda prompt」を右クリックして「プロバティ」を選択してください。

すると以下のような画面になります。
ここの「作業フォルダー」が、Anacondaプロンプトが起動したときのデフォルトの作業パスになります。ここを好きなフォルダに変更して、「適用」をクリックします。

当ブログでは、Cドライブ直下に「Pydoc」というフォルダを作ってそこで作業する、という手順で説明しているので、Pydocを作業ディレクトリに指定してみました。これで「Anacondaプロンプト」をもう1度、起動してみましょう。

このようにデフォルトが「C:\Pydoc>」になりました。
これで「cd」コマンドでディレクトリを移動しなくても、いきなり「python ファイル名」とコマンドを入力すれば、Pydocフォルダ内のpythonファイルを実行できます。

Pythonプログラムを3行だけ書いてAnacondaで実行してみよう

本ブログでは、文系初心者でも挫折しないように、いきなり自動売買(トレード)のBOTを作ってみる、というところから、プログラミングを始めます。そのため、プログラミングの基本のような教科書の説明はしません。

ただしプログラムの実行方法だけは知ってないと話にならないので、今から、前回の記事でインストールしたAnacondaを使って1つだけPythonプログラムを書いてみましょう。

まずはPythonのエディタを用意する

プログラムを書くためのエディタを用意します。
エディタは別に何でも構いません。メモ帳で書いても、ファイル形式を「.py」で保存すれば、ちゃんとPythonのファイルになります。私は起動が重いソフトが嫌いなので、sakuraエディタを使っています。

サクラエディタ

他には、Spyderという開発環境(エディタ)もあります。AnacondaでPythonをインストールした方なら、一緒にSpyderもインストールされているので、そちらを使ってもいいでしょう。(Windowsのスタートメニューで「Spyder」と検索すると出てきます)

色々比較して検討したい方は、「python mac エディタ」「python windows エディタ おすすめ」などで検索して探してみるといいでしょう。

Pythonのコードを書いてみる

ひとまず「現在の時間を表示するPythonプログラム」というのを書いて作ってみましょう。

最初に適当にUserフォルダの下などにPythonプログラムを書くためのフォルダを作ってください。ここでは、わかりやすいように「C:ドライブ」の真下に「Pydoc」というフォルダを作ってみました。

次にテキストエディタを起動して、以下のような文字を書いてみましょう。

from datetime import datetime
time = datetime.now().strftime("%Y/%m/%d %H:%M:%S")
print(time)

一応、意味だけ簡単に説明しておきます。

私と同じような文系初心者が、いきなり実践をしながらプログラミングを学ぶために大事なことは、なるべく「意味のわからないままコピー」せずに、意味を調べながら「自分の手で書き写す」ことです。

初心者のうちはプログラミングは、自分で0からコードを書くのではなく、ほとんどの場合、Googleで検索してそれっぽいコードを拾い、その内容をカスタマイズして組み合わせることになります。そのときに、意味を調べる習慣がないと、動かないときに何がおかしいのか、何を調べればいいのかわからず、そこで挫折してしまいます。

簡単にいうと、上記のコードは以下の意味です。

1)1行目で、datetimeというライブラリをインポートしている
2)2行目で、datetime.now() という命令をして、現在の時刻を取得している
3)それに .strftime(“%Y/%m/%d %H:%M:%S”)を繋げて、以下のようなかたちに整形している
(〇年/〇月/〇日 〇時:〇分:〇秒)
4)上記の整形した結果を、timeという変数に代入している
5)3行目で、print()でtimeに代入した内容を表示している

とりあえず、この流れを何となく押さえれば今はOKです。

では、このテキストファイルを適当な名前で保存してみましょう。
ここでは、test.pyという名前にします。

サクラエディタの場合は、左上の「ファイル->名前を付けて保存」で以下のように保存します。

※ 「文字コードセット」はUTF-8で保存する習慣をつけてください。当サイトのコードをそのままコピペする場合、UTF-8でないと文字化けします。

ちゃんと保存先が先ほど作ったフォルダになっているか、を確認してください。またファイル名は「test.py」ですが、このとき、ファイルの種類が「すべてのファイル」になっていることを確認してください。

Pythonを実行する

それでは、pythonファイルを実行します。

windowsの左下のスタートメニューから、「Anaconda Prompt」を検索してください。
以下のような画面です。

※ まだAnacondaをインストールしていない方は、こちらの記事を読んでください。

「Anaconda Prompt」を起動すると以下のような画面になります。

まずPythonのプログラムを実行するためには、Pythonのプログラムファイル(先ほど作った「test.py」)のある場所を、このAnacondaプロンプトに指定してあげなければなりません。

デフォルトではパスが、Anacondaをインストールした「C:\Users\ユーザー名」になっていますが、Pythonファイルは、C:ドライブの下のPydocフォルダにあるので、そこに移動しましょう。

以下のようなコマンドを打って「Enter」を押します。

cd ../../

「cd」とはチェンジディレクトリの意味で、現在のディレクトリを移動するというコマンドです。
../は、1つ上のディレクトリに移動することを意味します。
ここでは、Cドライブまで遡りたいので、2つ上(../../)に移動します。

これでCドライブの下に移動できました。

ついでに同じ要領で、先ほど作った「Pydoc」というフォルダに移動しておきましょう。
以下のコマンドを打ちます。

cd Pydoc

これで、現在のディレクトリを「Pydoc」フォルダに設定することができました。
これでフォルダ内にあるPythonファイルを実行できる状態になりました。

Pythonファイルを実行するコマンド

Pythonファイルを実行するには、以下のコマンドを入力します。

python test.py

要するに、(Pythonファイルのあるディレクトリに移動した上で)、「python ファイル名」と入力することで、pythonプログラムを実行します。これは今後、何度も何度も使うことになるコマンドなので、ここまでの手順は覚えてしまいましょう。

このコマンドでEnterを押して、以下のように現在時刻が表示されれば、成功です。

私の場合は、今回、Cディレクトリの下に「Pydoc」フォルダを作りましたが、どこに作成しても手順は同じです。「cd」コマンドでフォルダを移動してから、「python ファイル名」コマンドで実行します。

なお毎回、Anacondaプロンプトを起動するたびに、ディレクトリを移動するのが面倒だという場合は、こちらの記事を参考にしてデフォルト(初期)の作業フォルダをPydocに変更することができます。

プロンプトの画面の消し方

ここでもう1つだけセットで覚えてしまって欲しいことがあります。
それが、画面をクリアするコマンド(「cls」)です。

Anacondaプロンプトでは、コマンドの入力とその結果がどんどん画面に蓄積されていきます。また、以下のように入力コマンドを間違えたりすると、「Anacondaプロンプト」に長々とエラー文が表示されます。

これを消したいときは、「cls」というコマンドを入力してください。
最初のまっさらな画面に戻ります。

まとめ

ここまで学ぶことができれば、あなたはPythonプログラムを自分で書いて作り、実際に動かすことができるようになりました。実はこれで、Bitflyerなどの仮想通貨取引所に、自動で買いや売りの注文を出すために必要なことは、ほとんどすべて習得したといっても、過言ではありません。

あなたは「現在時刻を表示する」というプログラムを書くために、ものすごく複雑で長いコードを自分で書く必要はありませんでした。あらかじめ用意されている、datetimeというライブラリにそのような命令(関数)が用意されているので、それをインポートするだけで、現在時刻を取得できたのです。

実は、仮想通貨の自動売買BOTを作るのもほとんど同じです。
あらかじめ、賢い人たちが作ってくれたプログラムを借りるだけで、かなり多くのことができます。次の記事では、仮想通貨の自動売買BOTで、絶対に使うことになる「API」というものを学んでみましょう。

APIって何?APIを使ってみよう

Pythonというプログラミング言語を始めてみよう

プログラミングで自動売買のBOTを作成して、トレードで稼ぎたい!と思ったら、最初にしなければならないのは、パソコンでプログラミングができる環境を作ることです。

BOTを作るためのプログラミング言語はいくつかありますが、これから文系の方が始めるのであれば、絶対にPython(パイソン)という言語がおすすめです。

プログラミングで自動注文を出すにはPythonを使う

Pythonはいま一番アツいプログラミング言語です。
データ分析・統計処理・WEBスクレイピング・機械学習などをやりたいと思ったら、ほとんどの場合、まずPythonを使います。文法も簡単なので、文系でも最初に取っつきやすい言語です。

自動トレードに関していうと、Bitflyer/Zaif/Bitmexなどの取引所に注文を出したり、注文をキャンセルしたり、残高やポジションを確認するために、Pythonというプログラミング言語を使います。「プログラミングで注文を出すなんて難しそう!」と思うかもしれませんが、0から全て自分で書くわけではないので、文系でもそこまで難しくありません。

基本的には、各取引がAPI(注文を出すためのコマンドのようなもの)を提供してくれており、それを部品のように組み合わせて、どのような場合に注文を出すか、どのような場合に注文をキャンセルするか、というロジック(条件分け)をプログラムで指示するだけなので、普段からバリバリ開発している人でなくても、多分何とかなります。

さらにテクニカル指標を用いた勝率の検証もできる

またもう少し勉強する意欲があれば、過去の価格データをAPIですべて取得して、「長期移動平均線が上昇トレンドで、かつRSIという短期テクニカル指標が5を切って売られ過ぎを示しているときに、押し目買いをしたら、何%くらいの確率でそのくらい勝てたのだろう」という過去データを用いたバックテスト(勝率の検証)を、統計的に行うこともできるようになります。

私も数学が大の苦手な文系私大出身ですが、多分何とかなると思っているので一緒に頑張りましょう。

2話:Anacondaという開発環境をパソコンに入れてみよう

Anacondaという開発環境をパソコンに入れてみよう

Pythonでプログラムを書く場合には、Anacondaという便利な開発パッケージソフトがあるので、それを最初に入れてみましょう。ここではWindowsのパソコンを利用することを想定して説明します。

Anacondaについて

前話で説明したように、基本的に自動トレードのBOTを作るには、Pythonというプログラミング言語を使います。他の言語でも作れますが、Pythonが一番文系でも取っつきやすく簡単です。

Pythonを利用するためには、まずパソコンにPythonをインストールする必要がります。ですが、ここではPython単体ではなく、Pythonが含まれた総合的な開発パッケージの「Anaconda」をインストールしましょう。Python本体だけでなく、データ分析のためのソフトなども一括でインストールできます。

Pythonを勉強するときには、初心者向けの入門本や教科書を読んでも、まず最初にAnacondaをインストールするように薦められることが多いです。

Anacondaのインストール方法

まずこちらのページにアクセスしてください。

パソコン環境は、(Windows/macOS/Linux)から選択できます。
文系の私はWindowsしか使ったことがないので、Windowsを選びます。

バージョンには、2.nと3.nの2つのバージョンがあります。
(執筆時点では、Python 3.6 versionとPython 2.7 version)
特に理由がない限り、3で始まる方を選んでください。

そして自身のパソコンが32bitか64bitか確認して、exeファイルをダウンロードします。結構、サイズが大きいので少し時間がかかります。腹筋をしながら待ちましょう。

セットアップ

ダウンロードしたexeファイルを起動して実行します。

すると以下の画面が立ち上がります。

特に難しいところはないはずなので、そのままガイドに従ってインストールを進めていきます。

「I agree」を選択。

「Just Me」を選択。

インストール先を聞かれます。
通常、windowsであれば、「C:\Users\ユーザー名\Anaconda3」にデフォルトでインストールされます。そのままの設定で問題ありません。

次が少しだけ重要です。

「Add Anaconda to my PATH environment variable」(環境変数のPATHに登録するか?)
「Register Anaconda as my default Python3.6」(PythonのデフォルトにAcacondaを設定するか?)
の2点を聞かれます。

これは両方にチェックを入れてください。

前者は「Not recommended(推奨されない)」と説明文に書かれていますが、チェックを入れてしまって構いません。ここで聞かれているのは、「環境パスを通す」という、プログラミング環境を最初に構築するときに最初にやらなければならない手続きを、自動でやるかどうかです。

チェックを入れずに後で自分で設定することもできますが、あまりパソコンに詳しくない初心者が自分でやろうとすると、最初に躓きがちな壁になるので、チェックを入れて自動でやって貰いましょう(笑)

一応、自動で設定するデメリットもありますが、長くなるので説明しません。不安に思う方は、「環境パスを通す」の意味を自分で調べてみてください。

最後に「Install」を押すと、インストールが実行されます。
途中で一瞬、黒いウィンドウが出ますがビックリしないでいいです。

「Completed」になれば完了です。

その後、AnacondaのパートナーであるマイクロソフトのVisualStudioをインストールしろ、という画面が出てきますが、これは「Skip」(スキップ)を押して飛ばして構いません。

無事、インストールが完了しました。